こころの問題・こころの病気について

不登校


体の病気で言えば発熱のような症状で、いろいろな原因・こころの病気で起こります。学校で過ごすのが苦しいときに起こることが多いので、その原因を一つ一つ探り、これからどうするのが良いのか、お子さん、ご家族と話し合います。

 

こころの問題から生じたと思われる体の不調


頭痛や腹痛などが続くものの、小児科でははっきりした体の病気がみつからないことがあります。子どもではよく見られます。そんなときは何らかの気持ちへの負担から起きていることがあります。お子さんやご家族に生活の様子をお聞きし、原因を探ります。学校に行くのはつらいけれど行かなくてはならない、と思っているときなど、板挟みになっているときに起こることが多いです。

チック


まばたき、首や肩を動かす、顔をしかめる、咳払い、声が出るなど筋肉が勝手に動いてしまう現象です。脳の働きの乱れから起こると言われています。

チックとはどうものなのか知り、その付き合い方を学ぶことが第一です。生活の支障が大きなときは薬による治療を行うこともできます。

ADHD


多動(落ち着きがない)、不注意(気が散りやすい、忘れっぽい、整理整頓が苦手)、衝動性(待てない、かっとしやすい)という症状が幼児期から見られるという発達障がいのひとつです。女性では不注意だけのことも多いです。

周りの大人がその子の特性をよく知り、それに合わせた環境を整えることが大事です。

自閉スペクトラム症


集団行動が苦手でマイペース、会話のキャッチボールが苦手、こだわりがあってそれを変えられない、何かが大好きだけれど他のことには無関心、音や肌触りに敏感、といった特徴を持つ発達障がいのひとつです。

周りの大人がその子の特性をよく知り、それに合わせた環境を整えることが大事です。

うつ病


 以下の 1 か  2 の症状がありましたら、うつ病が疑われます。

  1. 毎日ほぼ1日中気分が落ち込む。
  2. 以前は楽しかったのに楽しめなくなった。
  • 食欲が低下したり、眠れなくなったり、眠っても途中で起きたり、朝暗いうちに目が覚めてしまうことがあります。
  • 意欲の低下や、集中力が低下し、本や動画の内容が頭に入っていかなかったり、仕事の失敗が増えたり、効率が落ちたりします。
  • 怠さ(だるさ)や嘔気(はきけ)、頭痛など身体の症状をともなうこともあります。

双極性障害


  • 気分が爽快になり、何かしていないといられなくなったり、何でもできそうな万能感があったり、怒りっぽくなったりする “躁状態” と、気分が落ち込み、意欲低下といった “抑うつ状態” を繰り返します。
  • 躁状態が軽く、短期間で経過するため目立たず、抑うつ状態が長くつづく『Ⅱ型』というタイプもあり、うつ病と診断されていることもあります。

適応障害


  • 人間関係、職場、学校環境などでのストレスに対処できなくなると、気分の落ち込み、イライラが続いたり、不安を強く感じたり、情緒が不安定になったりします。
  • 嘔気(はきけ)、めまい、動悸、呼吸苦など身体症状を認めることもあります。
  • 食欲が落ちたり、眠れなくなったりすることもあります。

社交不安障害


人前で恥ずかしい思いをすることや注目される怖さがあり、会話したり、たくさん人がいるところで苦痛を感じます。

  • 動悸、冷汗、赤面、身体がほてる、頭がのぼせる、声がうまく出せないことがあります。従来、あがり症、赤面症といわれていた中に、この障害が含まれていることがあります。
  • 手足が震えたり、腹痛など、身体症状を認めることもあります。

パニック障害


  • 急に非常に強い不安を感じ、動悸、息苦しさ、窒息してしまう感じ、過呼吸、めまい、ふらつき、発汗、腹痛、現実感の喪失、自分をコントロールできなくなる感覚、このまま死んでしまうかも、という恐怖といったパニック発作を認めます。
  • 「発作がまた起こるかも」という心配が多くなる、予期不安を認めることがあります。
  • 電車、バス、人混み、一人での外出など、すぐに逃げられない、助けを呼べない状況で恐怖を感じ避けてしまい、通勤、通学ができなくなったり、こもりがちな生活になったりすることがあります。

強迫性障害


  • 「汚れているのでは ?」、「ちゃんと閉まっているだろうか ?」など不安になり、何回も手を洗い続けたり、戸締りを確認し続けたりします。
  • 誰かを傷つけたかもと不安になり、まわりの人に聞いたり、報道で確認したりします。ぶつかっていないか、何度も振り返ることもあります。
  • 「手順や順番をいつもの通りにしないと怖いことが起こる」と不安になり、同じ手順や順番を繰り返し、途中で間違えるとまた最初からやり直し、いつまでも終わらなかったり、時間がかかったりすることがあります。
  • 特定の数字、物の配置、対称であることにこだわることもあります。
  • 自分でも違和感があってもやめられないこともありますし、違和感がなく強迫行為を繰り返すこともあります。

統合失調症


  • 幻覚を認め、とくに他の人には聞こえない声、悪口、自分の行動を説明する声や、「キーン」など、単なる音が聞こえる幻聴が多いです。
  • 実際には違うにも関わらず、ねらわれている、つけられている、見張られている、浮気しているという思いが強く、周囲から違うことを説明されても、訂正できなくなる妄想を認めることがあります。
  • 自分の考えが周囲に伝わってしまう感じや、盗聴されているのでは、あるいは他の人の考えが伝わってくる、考えていたことが抜けてしまうなど、思考の問題があり、考えをまとめることが困難になります。
  • 喜怒哀楽や物事への興味関心や意欲が低下し、人と関わりを避け、こもりがちになることがあります。

認知症


徐々に忘れっぽくなり、特に、覚えたはずの物事をすぐに忘れてしまうことが目立つ『アルツハイマー型認知症』や、幻視や手足のふるえなどのパーキンソン症状をともなう『レビー小体型認知症』などがあります。